食品添加物について詳しく書かれた良い記事を見つけたため、共有したい。
学会で高く評価されている唐木英明 東京大学名誉教授にインタビューした記事であるため、信頼に値するだろう。要点だけ掴みたい方は、太字の部分と最後のまとめに目を通して欲しい。
一つ目の記事
最近、無添加という表示の食品をよく見かけますが、無添加表示には行政で定められたルールがないことをご存知でしょうか。「保存料不使用」と表示しながら、それ以外の食品添加物で代替している場合があることを知らない消費者も多いのではないでしょうか。「無添加」や「保存料不使用」と書かれているだけで「体にいい食品」と誤解している方も少なくないと思います。食品添加物が入った食品より無添加食品の方が安全という考えに、科学的な根拠は何もありません。
食品の安全を守るためには、食品添加物の量が重要になってきます。例のひとつとして、私たちが毎日、調味料として使っている塩をみていきましょう。極端なたとえですが、一度に200グラム以上の塩を摂取すると死んでしまいます。また、みなさんもよくご存じのように、毎日、10~20グラムの塩を食べ続ければ脳溢血(のういっけつ)や心臓病のリスクが増えてしまいます。すると塩は毒か? というと、そうではありません。一日に7グラム以下であれば、一生のあいだ毎日食べ続けてもなんの害もありません。どんな食品でもたくさんとれば毒ですが、量が少なければ何の悪影響もない。その摂取する量で安全か、どうかが決まります。
最近、ある大規模な調査でこんなことが分かってきました。毎日、ビタミンをとる人よりとっていない人の方が、がんになりにくいというのです。(中略)ビタミンCやEは活性酸素を減らすから、体によいはずだ、がんも少なくなるはずだと思われてきたのですが、結果は逆だったのです。
では、なぜそのようなことになるのでしょうか。これも食品添加物に対する誤解と同じです。専門用語では「用量作用関係」といいますが、ここでもその摂取する量で、安全かどうかが別れるのです。「悪い」と言われると全部拒否したくなる。「よい」と言われるとたくさんとりたくなる。それが消費者の心理ですが、どんなによいものでもたくさんとり過ぎると毒になってしまいます。
日本は、世界的にみてもかなり厳しい安全基準を定めています。新聞やテレビでは、基準違反のニュースが次々と報道されていますが、基準は第4章でもご紹介したように、大幅な安全域をみているので、これの10倍、20倍を超えてもすぐに健康に害が出るケースはありません。もちろん違反は許されるべきことではありませんが、 「日本の食品は安全かどうか?」という基準で考えると、とても安全なのです。
二つ目の記事
添加物でとっているよりずっと多い量の化学物質を野菜・果物からとっているということです。消費者は自然のものだったら安全だろうというけれども、自然のものの半分は発がん性があるのです。